インプラントができないと言われた方へ(全ての歯を失ったケース)
「インプラント」という名称は、昨今よく知られるようになりましたが、その具体的な治療法や、メリット・デメリットについては、まだまだ判断する事が難しいのではないでしょうか?
それと同時に、「近年の総入れ歯の進歩」についても、残念ながら周知が遅れているように思われます。
インプラントができないと言われた方へ、また、これからインプラントを検討中の方に読んでいただきたいと思います。
インプラントは、「入れ歯に取って代わる画期的な技術」とも言われております。
支柱を骨に埋め込む形となるインプラントは、歯を支える力や安定感に優れていることは確かです。
ただし、総入れ歯に匹敵する本数の義歯を全てインプラントで支えるとするならば、それなりに多くの本数のインプラントを埋め込む必要があります。
歯茎がやせてしまうと、通常インプラント治療が難しくなります。骨造成手術などを行い、新しい骨を作る方法もありますが、全体的に骨が足りない場合には、長い時間がかかります。
また、ご自身の歯を失うことになってしまった原因が重度の歯周病だった場合には、顎の骨が薄くなっていることが予想されるため難易度も高くなります。
さらには、インプラントにした後も、歯周病に対する適切なケアの継続が必要です。
インプラントができないと言われたけれど、取り外しをする入れ歯は絶対イヤ。
まずは、その固定概念を外しましょう。
最終形をイメージしていただきたいのです。豊かな口元と素敵な笑顔。そしてよく噛めることで、体全身に力がみなぎります。
美しく、よく噛める入れ歯は、ネガティブなイメージを打ち消してしまうのです。
私たちのイメージからすると、取り外さなくとも良いというインプラントのイメージはまるで自分の歯のように感じます。しかし、治療後の歯周のメンテナンスは通常の歯の何倍も大変です。
欠点や短所だと考えられていた、入れ歯の「取り外し」。裏を返せば大きな利点であり、長所であると言えます。
インプラントの場合は、歯周病に似た「インプラント周囲炎」に侵される危険がありますが、インプラントはなかなか除去することはできず、手術をして除去できたとしても、歯がない状態がしばらく余儀なくされます。
総入れ歯であるならば、痛みがあったとしても、取り外しができ、長期間お預かりしなくとも、その日のうちに修理ができるため、歯がない状態を作りません。
また、夜も入れ歯をつけたままお休みいただく事ができるため、ご自身の一部として機能します。
他にも、インプラントにはできなくて、入れ歯にできることは沢山あります。
すべての歯を失ってしまった方は、顎の骨が薄くなってしまうために口元が痩せてしまい、残念ながら、実年齢よりも老けてみられがちです。
これを是正したくても、インプラント治療は、少しでも骨の厚みがある場所に植立するため、元々の歯の位置を再現することは難しく、内側からボリュームをだすことが難しいところです。
その反面、総入れ歯は、内側から自然なボリュームをだすことができるため、口元を自由に作ることができ、若々しい表情を取り戻すことも可能です。
インプラントも総入れ歯も、ご自分の歯を取り戻す方法です。
そこに優劣はありません。
インプラントができない、と言われた方。私たちは、インプラントではなく、総入れ歯を選択してよかったと思っていただく事ができるような技術を提供させていただきたいと思います。
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