総入れ歯の重合方法「イボカップシステム」
総入れ歯がどのようにして口の中でピッタリはまるのか、疑問に思われると思います。口の中の粘膜と入れ歯がしっかりとくっつくためには、大変精密な適合が必要とされます。
それを実現したのが、イボカップシステムです。現在、世界中で最も精度の高い適合方法と言われています。
イボカップシステムにより、ウォーターフイルム現象(ガラス板を2枚重ね、その間に水を挟むと取れなくなる仕組み)を作り出し、入れ歯と顎の歯肉の間に全く隙間が生じないよう、完全な同一精度で作成することができるようになりました。
イカボップシステムと保険の入れ歯の重合方法の違い
保険で製作する総入れ歯は、あまり時間もかけることなく最も簡単な製作法で作られています。
その製作法は、上下に分かれるフラスコを用い、そこにレジンを詰めて熱湯で固めるという簡単な方法です。
レジンは元々熱を掛けると必ず収縮します。そのため、フラスコの中でレジンは収縮を起こし、床の中で気泡となって残ってしまったり、変形の原因になったりします。
保険の入れ歯を長く使用すると気泡の中へ色素が沈着したり、臭いの原因となったり、破折しやすくなってしまったりするのはこのことが要因となるからなのです。
このような原因から、その弱点を補填することが出来る方法が考えられました。それが『イボカップシステム』です。イボカップシステムは、3トンの圧力に耐えるフラスコと6気圧の圧力でレジンを補うことが出来る方法で、収縮を補正しながら精度の良い総入れ歯を作ることが可能な方法です。
イボカップシステムで製作された総入れ歯は強度が高く、透明感にも優れ、精度が高く、長い使用にも変質しない優れた方法です。イボカップシステムにおける適合方法は、大変な手間がかかります。製作単価もかかるため、現行の保険制度では経済的な損失が大きいため保険では困難であると思います。
イボカップシステムの重合は、強度を保ちながら、透けるほど上顎の天井部分を薄くすることができます。
上顎の部分を、金属にしなくとも割れる心配がないため、安心して使っていただくことができます。