顎の骨が薄いのでインプラントは無理ですか?
インプラント手術ができないケースには、「コントロールできていない糖尿病」「高血圧」「重度の歯周病」「喫煙」「骨粗しょう症、くる病」といった疾病の他、全身疾患のある方、関節リウマチや全身性エリテマトーデスといった自己免疫疾患もあげられます。
また、骨が薄く、もろくなっている方の場合も、インプラント手術は難しいといわれています。もちろん、無理は禁物だと思われます。
また、たとえ現時点ではインプラントが可能な状態だったとしても、10年後、20年後までインプラントの機能を維持できるかどうかを予測する必要があるでしょう。
なぜなら、天然歯で起きたこと(重度歯周病)を、インプラント治療の後にも繰り返す可能性があるからです。インプラントも、ケアが行き届かなければ、「インプラント周囲炎」という歯周病と同様の疾患を引き起こします。
そして、全身性エリテマトーデスなどの既往がある方は、インプラント周囲炎などを発症した場合、炎症が引かず、インプラントを除去しなければならなくなる場合もあるのです。
インプラントは、歯の失った部分に人工歯根を骨の中に埋め込む方法です。
歯周病や虫歯によって歯を失ってしまった部位は、骨が薄かったりもろかったりすることが多く、インプラントを入れても土台がしっかりとしていないため抜けてしまい、適さない場合があります。
特に、上あごの奥歯付近の骨は上顎洞という骨の空洞があるため、インプラントは難しいと言われています。 骨を再生し、仮にインプラントが成功したとしても、一生お口の中で機能することは難しく、将来どこかの段階で総入れ歯に移行すると思います。
骨が薄い部分にインプラントを行うには、相当高い技術が必要なのです。
骨の厚みが薄くても、状況を見極めて適切な治療をご提供します
インプラントのようにリスクが高い方法を選択しなくても、お悩みを解決する方法はあります。
それは、ドイツで開発された「シュトラックデンチャー」です。審美的に美しいのはもちろんのことですが、偉人たちが作り上げた歴史ある総入れ歯は、機能的にも大変優れています。
当院の総入れ歯は、ドイツ・チュービンゲン大学のシュトラックデンチャーを原型としています。その手法は、当院顧問の稲葉繁先生が開発した『上下顎同時印象法』によるもので、その名の通り「上下を同時に印象する方法」です。
簡単に言うと、口の中の情報を丸ごとコピーして咬合器にトランスファー(移行)するという、非常に画期的なシステムです。方式は画期的ですが、その根底にある歴史は非常に長く、スイス、ドイツ、オーストリア、リヒテンシュタインといったヨーロッパの「総入れ歯の源流」を引き継いでいます。
当院顧問である稲葉繁先生は、1978年にドイツ留学時にDr.Hans Shleich と知遇を得て、現在の最終印象における上下顎同時印象の開発に至りました。当院の治療システムは、ヨーロッパの多くの学者の業績をまとめあげて完成されたシステムです。
上下顎同時印象法によるシュトラックデンチャーは、長い歴史があり、なおかつ、最新鋭の総入れ歯です。
当院の総入れ歯は美しさを取り戻すことができます
当院の総入れ歯・シュトラックデンチャーは、歯周病などで骨が薄くなってしまった方に対して、痩せた口元を内側からボリュームを出すことができるため、美しさを取り戻すことができます。
審美的に美しいことはもちろんですが、機能的にも優れているため、患者さまの一番バランスの良い位置で噛み締めることが可能となり、口の周りの筋肉を鍛えることができるため、口角が上がり、口元が引き締まってくるのを実感することができると思います。これは、シュトラックデンチャーの床による効果です。
一見、大きく見える総入れ歯ですが、口の中に入ると、ご自分の体の一部として機能します。
一方で、小さな総入れ歯は口の中で動き、口元が痩せて見えるため貧相なイメージをもたらしてしまいます。また骨が薄い方は、小さな入れ歯を入れると圧力が一点に集中し、痛みがでることが多くあります。痛いところを削り調整していくと更に小さくなってしまい、永遠に痛みが取れない入れ歯になってしまいます。
このような理由から、床に十分な厚みを与え、骨の薄い部分への圧力を分散させることができるシュトラックデンチャーは、大変優れていると思います。
シュトラックデンチャーについて、よりくわしく知りたい方はこちら
インプラントができない方も、当院なら受け入れが可能です
骨の薄さや全身疾患などによってインプラントができない方も、どうぞご安心下さい。総入れ歯とはいえ、審美的に美しく機能的にも優れたシュトラックデンチャーなら、きっと満足していただけると思います。しかしインプラントと入れ歯のどちらが良いかは、どちらの意見もお聞きになり、最終的にご自身が納得された上で決められた方が良いでしょう。
稲葉歯科医院では、患者さまの将来起きうるであろうリスクを考えながら、患者さまに最善な方法をアドバイスさせていただいております。ぜひご相談いただければと思います。