「総入れ歯にしたい」と悩まれている方へ
若い年代の患者さまより、「総入れ歯にしたい」という相談をお引き受けすることが度々あります。
理由をお聞きすると、
・歯がグラグラで噛めるところがない。
・歯並びや見た目が悪いから、全て抜いて総入れ歯にしてしまいたい。
・部分入れ歯が合わない。見た目も気に入らない。
・ブリッジが何度も取れて、その度に接着剤でつけるのが面倒だ。
・歯の痛みがあちこちにあり、抜いて楽になりたい。
大体このような理由からです。
それに付随して
・口元のために、仕事も雇ってもらえず、社会的生活に問題がある。
・自信が持てず、恋愛や結婚ができない。
・食事が美味しくない。
・喋る仕事なのに、うまく発音できずに辛い。
という悩みまでたどり着き、「全て歯を抜いてしまいたい」と思ってしまうのでしょう。
しかし、私たちは、できる限り歯を抜きくないと思って日々診療をしています。
したがって、健康な歯を抜くことはないですし、全ての歯を抜歯することもお勧めしておりません。
虫歯である歯、歯周病がある歯であっても治療や工夫次第で残すことができます。
そして、少ない本数でも歯を残せるのであれば、入れ歯が外れなくなる支えにもなりますし、噛む感覚も向上します。
全ての歯を抜いてからだと、取り返しがつかなくなることもあります。
インプラントも同様です。
インプラントをするために、残せる歯まで抜いてしまい、後悔する方もたくさんいらっしゃいます。
「総入れ歯にしたい」「全てインプラントにしたい」
と思っても、想像と違っていた。という事があるのです。
まずは残せる歯はできる限り残して、何が最善かを考える。
それでも、総入れ歯やインプラントにする必要あった時は、メリットとデメリットをどちらも伝えてくれる歯科医院を選ぶことをお勧めします。
何を基準に歯科医院を選べば良いのでしょうか?
- ・歯を全て抜いた後、仮の歯を作ってくれること。
治療中も家族との生活やお仕事があると思うので、できる限り普通に過ごせること。できれば気づかれないことが大切ですね。
- ・最終目標を想像できること。
最近では、デジタルを用いて、顔貌をシュミレーションすることができます。
歯を抜いてしまうと、口元が痩せてしまうため、最終的にどのようになるか想像できると安心です。
総入れ歯であれば、仮の歯を作ることで、最終的に完成するものは、こうしたいああしたいなどをリクエストすることもできます。
また、完成一歩手前で、試適(歯の見え方や膨らみ、かみ合わせなどの確認をすること)をすることで、満足度も上がります。
患者さまが、歯の悩みで前向きになれず、コンプレックスを持っている場合は、まずは相談をさせていただいております。
こちらは、当院の患者さまの事例です。
見た目に合わないブリッジや被せ物が入っていました。残念ながら歯周病も患い、全て歯を抜くことになりましたが、総入れ歯により美しい笑顔を取り戻されました。
一番大切なことは、総入れ歯でもインプラントでも、患者さまが自分の歯にコンプレックスを抱かないように、笑顔に自信を持つことができることだと思います。
歯が残せる場合はどのような方法があるのか。
全ての歯を失った場合には、どのような治療手順か。いずれも、期間、費用についても丁寧にお伝えしたいと思いますので、悩んでいらっしゃる方がいらっしゃいましたら、一度ご相談くださいませ。
YouTubeチャンネルも更新しております。よろしければご参考になさってください。