総入れ歯がゆるいとお悩みの方へ
上の入れ歯がゆるい、外れる。 下の入れ歯がゆるい、浮き上がる。
そのようなお悩みを持たれている方は沢山いらっしゃると思います。
なぜなら、入れ歯安定剤の年間の売上は100億円を超えているからです。
本来、ピッタリと合う入れ歯であれば、入れ歯安定剤を使う必要はありませんが、入れ歯安定剤の売れ行きをみると入れ歯がゆるくて悩んでいらっしゃる方が沢山いらっしゃる事がわかります。
入れ歯がゆるい原因として、加齢と共に歯ぐきが痩せてしまった。かみ合わせがあっていない。などが挙げられますが、そもそもの総入れ歯の形に起因するケースがほとんどです。
総入れ歯が口の中にピッタリと吸着するために大切なポイントがあります。
1つ目、空気が入れ歯と歯ぐきの間に入らないように工夫をすること。
そのためには、歯ぐきの一番奥の部分、最深部までしっかりと入れ歯で包み込むことが大切になります。
2つ目は、筋肉の動きを考慮する事
口を尖らせた時、ろうそくをフゥ〜っと消すような口元をした時に外れてしまう場合など、筋肉の動きによって外れてしまう場合もあります。
それらを考慮して、入れ歯の大きさや長さを決める必要があります。
反対に入れ歯がゆるくて外れてしまう原因は、これらのポイントが付与されていない場合が多いと思います。
例えば、上あごの部分を覆わない、無口蓋義歯などは、どこからでも空気が侵入してしまうので、患者さまはとても苦労されていらっしゃるのではないでしょうか?
無口蓋義歯をピッタリとくっつけるのは大変むずかしく、いつも舌で入れ歯を押し当てて支えていないと、落ちてきてしまいます。
余計な筋肉を使うこととなり、首筋の筋肉が疲労してしまいます。
そのため、当院では、無口蓋義歯はしておりません。
上あごをしっかりと包み込むような入れ歯は、ウォーターフィルム現象を得ることができるため、入れ歯はだ液によりピッタリとくっつくことができます。
※ウォーターフィルム現象とは、ガラス板を2枚重ね、その間に水を挟むと取れなくなる仕組みのことを言います。
現在の技術では、0.3ミリまで上あごの部分を薄くすることが可能です。
患者さまは40代女性、入れ歯を入れるのは初めての方でした。
上あごの一番奥に、骨が大きく盛り上がっていたため、この部分から空気が入らないように封鎖するのがとても難しいケースでした。
しっかりとした型とりを行い、通常見えない部分も再現することで、空気の侵入を防ぐ入れ歯が出来上がりました。
ポイントを押さえれば、入れ歯は良好な吸着が得られます。
下の入れ歯がゆるくて浮き上がる場合に関しても同様に、空気の侵入や、筋肉の動きに加え、舌の動きも考慮する必要があります。
当院の入れ歯は、舌の動きを妨げないような形になっています。
入れ歯がゆるく、外れやすいとお困りの方は、原因を探すことができると思いますので、どうぞ遠慮なくご相談にいらしてください。